tottetsuketa's diary

オートバイに乗るのが好きなサラリーマンの日記です

3.タイムアップに必要なもの

なかなか考えがまとまりませんが、まずはテクニックとかそういうものを離れて、準備に近いことからいうと以下の二つ

  • ラップタイムが測定できるもの
  • 自分の走行を振り返れるもの

詳しく説明していきましょう。

ラップタイムが測定できるもの

P-LAPでもLAP SHOT(や、その類似品)など、来ればリアルタイムで測定できるほうがいいです。理由は二つ、自分の走行を客観的に数字(ラップタイム)で判断することが大事という事と、何かを試した結果のよしあしをすぐに把握する事が大事という事です。

たまに「速くなるまではタイムを計らない」という人がいますが、サーキット走行でタイムを削るというのは、色々なやり方を試して、そのやり方の最適解や最適の組み合わせを見つけるという作業です。そのためにはよく言われるPDCA(Plan-Do-Check-Action)のサイクルをどのくらい効率よく回すかが勝負です。

そのときに結果をすぐに確認できないというのは効率が悪い。バイクに乗ることがそもそも初心者です、という頃には、うまく走れた気がする、気持ちよかった、膝が擦れたという事でもおそらく確実にタイムは縮んでいるんでしょうけれども、少なくとも公道でそこそこ走れている自信がある人は、気持ちよかった、というレベルではもうタイムが上がらない可能性が高いです。

まず一つ目、自分を客観的に見ることについて、僕は実際にサーキットの初心者だった頃、確かバイク暦は8年くらい、ツーリングとかでも誰かに遅れることもそんなにないし、バイクに乗ることはまあまあ上手いんじゃないかと思っていた頃に知人に誘われて走行会というものに参加しました。

その走行会でも僕は膝とかステップとかマフラーとかを擦りながら誰よりも深くバイクを寝かせていて、周囲の人たちをいっぱい抜かして随分イケてるつもりで走っていました。でもそんな中を膝もステップもマフラーも擦らない、しかも、レーサーっぽいツナギを着ているわけでもない、普通っぽい人(今思えばジムカーナ系の人)に抜かれてまったくついていけませんでした。

立ち上がりではアクセルをあけたらどんどんはらんでいくし、もうバイクをこれ以上倒せませんから、限界のつもり。そこを何の苦も無くスルスルと引き離されていく。そのときはまったく意味がわかりませんでした。

これはそのうち書こうと思ってる「アクセルを開ければ速く走れる」という事に関係するのですが、要するに自分がイケてると思っても本当は全然ダメで、ちゃんと数字で計ったほうがいいですよという事。

二つ目。試行錯誤の結果をすぐに知ることがPDCAのサイクルを回すのに大事と書きました。要するにサーキットの中での話でいうと、1コーナーを目いっぱいフルブレーキしてみたらタイムは0.5秒縮んだとか意外と全然縮まないとかそういうことです。

一つ目で説明したように感覚はあまり当てになりませんので、頑張ってみても縮まないならやり方がおかしい、あるいは頑張った以上にタイムが縮む場合は、そこをもっと掘り下げてみる、など。そういう事が分かるのです。

なお、ラップタイマーが無い場合や忘れてしまった壊れてしまった場合でも前のバイクとの距離で今試していることが成功したか失敗したかが分かります。実はこれが一番手っ取り早かったりするんですけど、なかなかそういう相手が都合よくはいないので。

自分の走行を振り返れるもの

これもPDCAを効率よく回すのに必要です。必需品は紙のノート(と記憶力)、あれば良いのは車載カメラ、データロガー(LAP+)など。ラップタイマーは正解と不正解を判断するための道具で、ここで書いているのは正解と不正解のメカニズムを理解するための道具という感じ。

サラリーマンは普通なかなかサーキットに行けません。金、時間、バイク、知識、運転の才能、などなどいくつか速くなるために使えるリソースがありますが、一般人はなかなか金も時間も速いバイクも運転の才能も持ち合わせていないことが一般的なので、PDCAのサイクルを全部実物で回すのには限界があります。

そこで脳内とかPCでこのPDCAを出来るだけ回すのです(なかなかD:実行は難しいですけど)。といってもプランを立てて、実行して、実行結果を確認して、修正点を決定する、みたいな事を順序立ててやるわけではなく、割とモヤモヤとした感じですけど。とこれだけだと分からないので具体例をいくつか挙げます。

例えばなぜかベストラップを更新したとします。更新した手ごたえは無かったのにタイムが出た。良くわからなかったので家に帰ってからGPSで確認すると6コーナーの脱出速度が速い。なんで脱出速度が速いのか分からないので車載カメラを前の周と見比べてみる。そしたら、どうやら他の周よりも手前のコーナーを切り替えしたタイミングが早い。ここはしっかり減速して向きを変えてから立ち上がるよりは、なるべく速度を殺さないまま早めに切り返すほうが脱出速度が稼げるのかも。みたいな事がわかります。そしたら次の走行ではそういう走り方をしてみる。他のコーナーでもやってみる。うまくいくコーナーと行かないコーナーの違いは?とまた考えてみる、など。

とにかく現場ではなく事前に考えとくことでプランをいくつも事前に用意できるし、プランに沿った走り方をいくつか試してみて、その場の人間の能力(せいぜい1走行で1個のプランの良し悪しが確認できれば上出来)ではどっちがよいか分からなくても後から振り返って確認することも出来るので3倍くらい効率がよいんじゃないかなと思います。

と色々書きましたが、ちゃぶ台ひっくり返すようですが、こんな職業みたいなやり方してもあまり楽しくないし、僕もよっぽどタイムアタックに燃えているときくらいしかこんな事しないので、せいぜい「ノープランでサーキットに行ってタイヤと時間を無駄にしない」くらいの心積もり、あるいは時々は「今日はノープラン!コマケー事おいといてノープランという事を自覚して楽しく走る」くらいでどうかと思います。